不思議な話 恐山のお地蔵さん
二泊三日の一人旅。
東京から新幹線で八戸へ。そこから在来線で下北半島のむつ市へ。約5時間の旅。
下北駅からレンタカーで恐山へ。約30分のドライブ。
道中で冷水という「一杯飲むと10歳若返る」湧き水出でる場所に立ち寄った。
そこでデジカメで撮影しようとしたところ、急に電源が落ちてしまった(その後も電源入らず結局後日買い替え。以後アップする写真は携帯で撮影したもの)。
恐山という響きからして、瓦礫の山を登って行くようなイメージを持っていたが、実際には恐山菩提寺とその境内の散策であり、境内の前に大きな駐車場があるので登山は必要ない。
恐山に到着して、まずは隣接する宿坊にチェックイン。宿泊カードに当時住んでいた港区と書くと係の人が「ああ、別院の」と言った。
港区に恐山の別院があるのかと思ったが、豊川稲荷東京別院を指していると後から知った(恐山菩提寺と豊川稲荷は共に曹洞宗のお寺のようで、何かしら繋がりがあるのだろう)。
荷物を部屋に置いてさっそく地獄めぐり。
「血の池地獄」「無間地獄」など様々な地獄がある。
温泉地なので、登別や雲仙などと同じように硫黄が立ち込めている。
境内には参拝者が入れる温泉が何箇所かある。昔から湯治場として有名だったらしい。
そして現在イタコで有名な恐山には故人を偲びに訪れる方々が多い。
地獄から降りて行くと賽の河原があり、故人を偲ぶ風車や石積み、草鞋や手拭いが至る所に見受けられる。
そして宇曽利湖が広がっている。
湖面は透明で、地獄との対比が本当に美しい。
まるで誰かを想うときに流す慈しみの涙のようだ、と感じた。
宇曽利湖の向こうには安らかな黄泉の国があるというのも頷ける。
決して怖いところではなく、心を静かにしてくれる場所。
地獄めぐりを一通り終えて宿坊へ。
新しく綺麗で、6名は泊まれる広い二間続きの室だった。
夕食は美味しい精進料理を頂き、その後は写経と院代による興味深い法話を拝聴。
テレビもなく、携帯の電波も入らない。ゆっくり温泉に浸かり早々に就寝。
お化けが出ることもなく、久々にぐっすりと眠り翌朝は早起きしてご本尊の地蔵菩薩に参拝。
朝食後にチェックアウト。
さて、旅の目的の一つ。
地獄や境内、賽の河原には無数のお地蔵さんがいる。
私にはどなたが祖母を助けてくれたお地蔵さんなのか、残念ながら全く分からなかった。
つづく