留学シリーズ 第六話 「Berkleeで学んだこと」 3/23/07


そろそろ本題に入る。Berkleeに行って何を学んだか?言い方を変えれば「Berkleeに行くとどうなるか?」。もっと砕いて言うと「Berkleeに行って音楽で食えるようになるか?」。答えは「各自次第」としか言えない。

知識で言えば、今まで音楽をやっていた私にとって1年目は既に体得していたことの復習に過ぎなかった。ただそれらを秩序立てて「学ぶ」ことにより知識が整理され、その上に新たな知識を積み重ねることが出来るようになる(Berkleeのカリキュラムはとても整理されていてわかりやすい)。そしてイメージしたものを効率よく(より速く)音楽を使って具現化できるようになる。言ってみれば引き出しが多くなるわけだが、それらを生かすか殺すかは各ミュージシャンのセンスによる選択に委ねられる。TPOはあくまでも各自音楽を仕事として経験しながら身に付けなければならない。

感覚的なことで言えば、優れたミュージシャンが講師としているので様々な良いGrooveを体感できる(たとえばBrazilianやAflo Cuban、Jazz、Funkなどなど)。そのリズムの取り方などが勉強できたのは私にとっては貴重な体験だった。

また世界各国からの高い志をもつ生徒たちと机を並べ、且つ宿題づめのハードな学生生活を通じて自分の適正が何となくわかってくる。自分はプレイヤーなのか、コンポーザーなのか、エンジニアなのか、また音楽はもううんざりだ!、など。

私にとっては学びたい授業が一杯あったのでお金と時間さえあればBerkleeは天国であった。ただ学んだものをその後どこでどう使うかは各自次第である。Berkleeを卒業すれば話の種にはなるが、その後その人がどんな音を出すかの方がはるかに重要である。

またずば抜けて良い音を出している生徒であれば在学中に生徒間はもとより講師とも人脈が出来、そこからチャンスが広がるかもしれない。

Berkleeで学んだり経験したことは私にとって大きな財産である。自分の学びたいこととマッチするならば行く意義は大きいだろう。

 

つづく

 

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