留学シリーズ 第二話 「食べること」


私の人生の中で、「食べること」はかなりのウエイトを占める。アメリカで満たされた生活をするには知識が必要となってくる。Junk Foodの国アメリカでも都市部で生活するのであれば日本人として最低限必要なものは殆ど手に入る。

私の場合、Bostonでの最初の半年は部屋にキッチンがなかったのでほぼ外食に頼っていた。学校のCafeは食べ放題で昼は$5、夜は$6だった。メニューは昼夜共に同じで、サラダバー、ドリンクバー、ハンバーガーコーナー、サンドイッチコーナー、グラタンなどのコーナー、イタリアンコーナー、パンコーナー、それに恐怖のエイジアンコーナーである。最初はくまなく食べていたが、後半は毎日メニューは違うが同じ味のするのに嫌気がさし、パンコーナーで自分でワッフルを焼いたり、バーガーにフレンチフライ(ポテトですな)と、いたってシンプルで誰が作っても不味くなりようがないものに限られた。エイジアンコーナーは20回に一度食べられそうなものがあるが、他は正真正銘のにせエイジアンフードである(たとえばダシなしのうどんとか)。

とにかくアメリカ人は平気で残す。ここがまずいからなのか、習慣なのかわからないが、半分以上はゴミになっているのではないか。 エコロジーとは程遠い。 もったいないお化けがいたら足りなすぎて新聞に求人広告を出すかもしれない。

このような食生活の中で、たまに友人宅で料理をしたり振舞ってもらったりして食べる和食は涙が出るほどおいしい。

 

学校の周りで私が利用していた店とそのお気に入りは

ダンキンドーナッツ:  最初のうちは甘いが慣れるとくせになる。ブルーベリーケーキドーナッツ、ヘーゼルナッツコーヒーフラプチーノのクリームのせ。

Crazy Dough: ピザ屋。ここの焼きたてペペローニやチーズは美味しい!

Bombei Cafe: インドカリー屋。夕方4時までの食べ放題(当時たしか$5.25)。

Aubon Pain: サンドイッチ屋。クロワッサンかチーズパン、スープ、フレッシュレモネード。

Boston Clam Chowder: コープリーのフードコートに入っている店。クラムチャウダー、ロブスタービスキュー、コーンチャウダーなど、スープはすべて美味しい。

Burger King: ハンバーガー店。もう日本では見られないが、私はこの手のチェーンでは一番好き。

アリラン: 安価な韓国料理。テイクアウトでたしか夜8時以降は半額になる。

 

少し足をのばして

Ginza: 小澤征爾氏も通った和食屋。China townとBrooklineにある。やや高め。アパタイザー、寿司がおいしい。酒の種類も豊富。

Porter Squareにある日本のモール: 何件か和食屋が入っている。予算$10くらいか。

China townにある中華料理屋: いろいろな店がある。Chou-Chouというところによく行った。日本の中華の半額から2/3の値段で食べられる。昼は大体の店で飲茶をやっている。

Cafe Japonese: Brooklineにある日本のパン&ケーキ屋。おいしいがやや高め。

 

レストランでの外食の費用は店によりまちまちだが、メニューの価格に加え税金(州により異なる、Bostonは5%だった)がかかり、その上チップを15〜20%置くと昼で$10、夜で$15が最低コストと考えられる。意外と金のかかる外食は留学生にとっては「晴」の食であり、日本にあるような1,000円くらいでバランスよくまともなものが食べられる店は少ない。よって普段はファーストフードに頼ることになる。

その後ファーストフードは見るのも嫌になり、学校から徒歩1分のアパートに引っ越して殆ど自炊するようになる。自炊では1日の食費おおよそ$5。安くて、外食より美味しく大半の日本人学生は自炊するようになる。

 

食材の入手先

Star Market: コープリー内の大きなスーパー。野菜、肉、魚、おかし、アイスクリーム、日用品などほとんど揃う筈だが…。あまり鮮度は期待できない。 チラシで安いものをチェック!

Bread & Circus: シンフォニーホール隣のちょっと高級スーパー。生鮮食料品は少し高めでもここがよい。テイクアウトのすし屋も入っている。味はまあまあ。和食材は高いのでここでは買わない。サトイモ、アジアの梨などもたまに売っている。

Cherry Mart: Newburry St.にある日本食材屋。小さいが醤油、調理酒、米など緊急時にとても便利。とてもよく利用していた。

吉野屋: Central Squareにある日本食材屋。日本の野菜、冷凍食品から布団まで品揃えが素晴らしい。月1回買出しに行っていた。片栗粉・冷凍うどんなど。

寿屋: Porter Squareにある日本食材屋。ここも品揃えが素晴らしく、綺麗。化粧品・カー用品など充実。

Super 88 Market: Allstonにある巨大中華食材屋。野菜、肉、魚など生鮮品が安い。アメリカのスーパーではスライス肉がないのでここで冷凍のものを買っていた。他にインスタントの袋めん「出前一丁」の香港ヴァージョンは種類豊富で美味しいのでよく買っていた。日本の食材も置いてあるがあまり安くはない。

China townにある食材屋: いろいろあるので散策してみると面白い。生きたカエルを置いてあるところもある。汚いところが多い…。

Central Squareにあるインド食材屋: スパイスが驚くほど安い。

Lotte Market: MITの近所にある韓国食材店。野菜、キムチ、スライス肉など。

アルコール類: 近所のリッカーストア。日本のビールはサッポロ、キリン、アサヒのいずれかが大体置いてある。現地生産の日本酒も置いてあるところがある。

 

とにかく場所によって同じものでも値段がかなり違うので買うものによって店を選ぶのが大切。醤油は日本食材店。オイスターソース、ラー油などは中華食材店(豆腐も意外とイケる)。アメリカ人が日常使うものはスーパーで。

・スライス肉は生のものは手に入らないので、長期滞在の場合、通販でミートスライサーを買うのも手。霜降り肉は入手不可。 牛は部位の知識を頭に入れて。安い肉は要注意! ポークが意外とイケる。 ベーコンは日本のものとは比較にならないほど安くて美味しい。 チキンも安いがバイトのまかないで食べ過ぎて苦手になった。よくうどんのスープに入れ、鳥南蛮にした。

・ハムはロースは見たことがなく、ほとんどがボロニヤ。ソーセージはシャウエッセンはなく、フランクフルトやハーブ入りの腸詰が多い。

・魚はあまり種類がないがアトランティックサーモンは安くてうまい!カジキや小ぶりのサバなどもある。アジやホッケの干物などは冷凍のものが日本食材屋にある。刺身は高いが日本食材屋で。鰤は手に入らない。

・野菜はものにより入手困難(小松菜、太い長ねぎ、やわらかいキャベツ、新鮮なエノキ、しめじ、小さなピーマン)。かぼちゃ、サツマイモ、きゅうり、大根、シソの葉、大和芋は日本食材屋で!

・果物はみかん、おいしい桃はない。りんごは「ふじ」が置いてある。ブドウは皮ごと食べられる種無し。オレンジはうまい。

 

ある日の食卓:

朝: チーズトースト、ヨーグルト(クランベリージャム入り)

昼: 冷凍讃岐うどん(薬味に青ねぎ、しょうが、すりごま)

夜: 鮭のムニエル、ほうれん草のお浸し、ごはん、わかめの味噌汁

デザート: ブラウニーのアイスクリーム添え

と結構まめに料理をしていた。

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